「秘宝館」という施設名を聞いたことはありますか?
今風に言えばセックスミュージアムですが、今回は秘宝館の魅力とそこで見ることができる江戸時代のアダルトグッズをご紹介します。
秘宝館とは?
1970年代の高度成長期にのって全国各地につくられましたが、1990年代にどんどん閉館し、秘宝館と名のつくところは2015年には熱海秘宝館の1館のみとなってしまいました。
私が10年前に旅をしたときにはまだまだ生き残っていたので、時代の流れを感じますね。
インターネットの普及により、検索でいろいろな情報が手に入るし、秘宝館の写真やレビューが見れるので、実物を観にいく必要がないのですが、それを逆手にとって、行くことでしか出会えない変わったセックスミュージアムもあるので、ぜひ訪れてみてくださいね。
- 「珍宝館」群馬県北群馬郡吉岡町上野田夫婦岩2109
- 「性神の館」栃木県宇都宮市徳次郎1478
また、男根祭りを毎年行っている神社にも、性に関する資料室があるようです。
- 若宮八幡宮 社務所二階 神奈川県川崎市
- 多賀神宮 凸凹神堂 愛媛県宇和島市
今回紹介する江戸のアダルトグッズの実物も展示されているところがあると思います。
興味がありましたらぜひ問い合わせしてみてくださいね。
北斎の描いたアダルトグッズをご紹介!
陰陽瑞喜(いんようずいき)
「肥後ずいき」という名で今でも売られていますが、ズイキというのはハスイモの茎を乾燥させた紐のことです。
丈夫で伸縮性があり、しかもおちんちんや膣との肌触りもいいとされています。肥後ずいきは既にネット状に編まれていて、おちんちんのの茎部に巻きつけると、怒張を強めて、太くたくましいペニスになる効果があります。
ずいきの凸凹もあり、女性はとても気持ちがいいようです。
秘女泣和(姫泣輪)
ずいきを別の形で加工したもので、リング状をしています。
亀頭の下部に巻くか、Cの形をした輪状のものをいくつも嵌(は)めて用います。
秘部が気持ちが良くて濡れるのと、女性がよがって泣くのをかけているネーミングですね。
囉廉香(られんこう)
オランダから来た催淫用の薫香です。嗅ぐだけで性欲が湧き起こるとか。
現代のアロマオイルでいえばサンダルウッド、イランイラン、ジャスミンなどが催淫効果がある香りとされていますね。
香閨不老丸(こうけいふろうがん)
煉香(ねりこう)の一種で、丸薬のようになっており、焚かずに、そのまま嗅いで楽しむものです。
不老丸というのがいい命名で、セックスに良いものは、身体の血気の巡りを良くするので、美容健康、不老長寿に最適なんですよね。
ショウガやシナモンなどのスパイスが愛されるのには、香りづけだけでなく健康になるという理由があるんですね。
業平吾妻形(なりひらのあずまがた)
Tengaみたいな、男性用オナホールです。
名前の由来は、伊勢物語で有名な在原業平(ありわらのなりひら)からです。業平は藤原氏との勢力争いを避けて、京都を出て、東(あずま)に旅をします。
その時からあったのか、そのわびしさをあらわしたのか分かりませんが、女性器を象った手のひらサイズの袋状の道具で、お湯を入れるかお湯を浸した綿を詰めて行うそうです。
中心が皮で出来た筒で、外側がビロードや絹で出来ています。
宿禰千満珠(すくねせんまんじゅ)
古事記と日本書紀の伝説から名付けられた強壮剤です。
武内宿禰(たけのうちすくね)という偉い人が、竜宮城から不老長寿の妙薬、千珠満珠(せんじゅまんじゅ)の玉を手に入れようとした、という話が元ネタです。
宿禰氏は実際にを丸薬を手に入れ、300年の長寿を手に入れたそうです。この江戸時代の商品は、玉子と慈姑(くわい)という芋からつくったとか。
ほかにも長命丸、帆立丸、女悦丸、地黄丸などがあります。現代では高麗人参やマカなど、既に色々なものがありますよね。
加藤家朝鮮形(かとうけちょうせんがた)
男性器にすっぽりかぶせる形のディルドー(男性器を模したもの)です。
中が空洞になっており、立たなくなった男性などが使用したようです。加藤清正が朝鮮から持ち帰ったという伝説から名付けられています。
硬いけど柔らかく曲がり、つやと温感のある、亀の甲羅で作られるそうです。
男性が装着できるよう、中が空洞になっており、立たなくなった男性などが使用したようです。
道鏡鎧甲(どうきょうよろいかぶと)
日本史上最大の巨大ペニスを持つ僧侶、道鏡の名前がついた男性用の張形道具(ディルド)です。
かりの部分とさやの部分の2つに分かれていて、品が細めの人が用いるとされています。
膣の中で破損しないかとっても心配になる作りですが、丈夫な亀の甲羅で出来ています。
女嶋互形(にょがじまたがいがた)
今でもレズビアンのアダルトグッズで見られる女性の同性愛用の道具です。
シーソーのように両面にペニスがついていて、女性同士で挿入して動くとどちらも気持ちが良いという逸品です。
小乙女針方(おとめはりがた)
乙女張形をもじってつけた名前で、女性の使うバイブのような道具です。
小さめの、手で持って行うものと、大きめの、足に括り付けて行うものがあるそうです。
いずれも亀甲製で、お湯人肌に温めてから使ったとか。足に括り付ける発想がすごいですね。
卞和輪玉(べんかりんのたま)
卞和さんの丸い玉、という意味です。
この「りんのたま」は古来より中国、日本でよく使われた大ヒット商品でした。大きさはビー玉くらいで、金銀銅の三種があり、これを二個、膣の奥に入れておき、腰を揺り動かすと、自然と絶頂に達したと言います。
玉がこすれ合ってりんりんいうところから、琳の玉とも鈴の玉とも呼ばれたそうです。純度の高い金属を入れると、電気信号の刺激が活発になるのでしょうか。
今の時代、ローターなど、勝手に振動する器具が多いので、ゆっくりとした刺激で絶頂に達するなんて、使ってみたくなりますね。
古いものでは、平安時代から絵にディルドーが登場しているそうで、江戸時代のこれらのものは洗練され、普及していたことが想像されます。
春画にも、たまに出てきますので、周りにある調度品等も注目してみてくださいね!